広告関係のデザインの流れは、ざっくりまとめるとこんな感じです。
- クライアントの要望を聞く
- たたき台を3案くらい作る
- 怒涛の修正
- 決定
- 制作
- 納品
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目次
デザインに納得できないときはお金を払わなくていい?


全部お任せで頼んだけど、ださいデザインを提示された。制作に入っているけど、お金を払いたくない。
最初にサンプルを見せてもらって、話し合いに応じてくれそうか、自分好みの物を作ってくれそうか、よく考えてから正式に依頼しましょう。正式依頼後のキャンセルは原則NG。
修正指示を受けたデザイナーは「これは、こういう意味ですか?」と確認をするべきですが、思い違いをしたまま作成したり「きいたら悪いかも?」と変に気を遣う人もいます。
確認がない場合は、メールや電話で様子を探ってみてください。
製作に入っている場合はキャンセル料が発生します。契約書にキャンセル料の項目がない、または契約書そのものがない場合は、見積もりの段階で早めに連絡してください。
見積書を無視して値切るのはルール違反
予算10万円の店内装飾の制作依頼があり、それに見合う内容で見積もりを出しました。見積もりと同時に、デザイン案を数パターン提出しました。
「デザイン案を見ないと会議にかけられない」という理由です。
しかし、納期4日前になって、1万円しかないと言われました。
4日という激短納期は妥協するとしても、結局、店内装飾はなかったことになってポスターになりました。
最終的にはエクセルでレイアウトしたデータをいただいて、それをイラレで文字を配置し直して校了になりました。(エクセルデータは印刷機にかけられません)
デザイナーが数時間、または数日間かけてデザイン案を作り、材料を手配し、現場作業員のスケジュールを抑え、たくさんの人間の時間を拘束していることを、忘れないでください。
そんな要求を受け入れる営業も営業ですが、予算がないなら最初に言うのが常識です。
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友達だからタダで作って

「タダで作ってほしい。なにかおごるから…」
とか曖昧な口約束で始めたら、何度修正してもなかなか仕上がらない、一生懸命作ってくれたのに気にいらない、お互い不満が残って気まずくなるパターン。
デザイナーは、好意で作る場合でも、自分から「○○円で作るよ」と提示してみてはいかがしょうか。1,000円でもいいです。
タダで作ってもらったものは、雑な扱いになります。おごるとか謝礼はまた別の話です。基本的に友達には営業しないですね。ずっと仲良くしたいから。
コンセプトも写真も文章も無いと先に進みません
コンセプトがころころ変わり、資料を一切出さずにとにかく作れ作れの一言で、フリー素材だけでたたき台を作れと言う人がいますが、結果無駄な作業になります。
とりあえず取扱商品を教えて下さいと聞いても、まだ決まっていないと。本番素材がきたらレイアウトもガラッと変わるから、アバウトに作ってたら「立体図も細かく作れ」。ここに数日かける意味が本当にわからない。
妄想ではなく具体的な話をしましょう。
飲食店をオープンする前からメニュー表を作らされたことがあります。料理の知識ないのに飲食店のメニューも考えろってムチャブリ〜!
やりたいことも決まっていない段階で、デザイン発注するのはまだ早いです。
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下手でもラフ画を描こう

作る側にとって「なんでもいい」が一番難しいので、チラシの裏に殴り書きしたものでも見せていただけると、打ち合わせもしやすくなります。
余談ですけど私の周りでは、図面を描くことを「まんがをかく」と言います。笑えるものとかじゃなくて、製作図面です。他のデザイン会社では言われたことないのですが。
雑でもいいので、とにかくまんがを描こう!

小学生の落書きをお店のロゴにしてほしいと言われたこともあります。本当に看板になりました。
高いと思ったら最初に伝えて
ダメモトで言えば、すこしまけてくれるかもしれません。もしくは、素材を工夫してコストを抑えてくれます。
製作が佳境にはいったころ「高いのでやっぱりやめます」っていうのはおやめください。デザイナーは何件も仕事を抱えているので、作業の効率化を考えています。
見積もりには一応「デザイン料」という項目がありますが、かかった時間を考えると赤字です。印刷物の場合、プリンターの稼働費と、製作にかかる人件費で利益を出す感じです。
日本人は「無形の物にお金を払いたくない」という意識が根強いです。
この「無形の物」は、誰かが毎日努力して勉強して得たものであって、人に口頭で伝えて1日でできるものではない「特殊な技術」だったりします。
制作料の支払いを踏み倒されてツライ

会社に「個人商店はお金がないから、あまり仕事を受けるな」と言われていた時期がありました。
高級店の広告製作を何度か受注しましたが、支払いが悪くて未納が続いていました。そんな何十万円もするブランド品を扱ってて、広告代金の数万円を踏み倒す?
会社の大小ではなく、これはもう社長のモラルです。どうしてそんなことが出来るのかというと、信頼関係が築けていないからです。
借金をしている人は、取り立てが厳しいところから払います。表向きは人気店に見えても、実際は火の車みたいな会社もあります。
ですので、お取引をする際は会社の規模もですが、最終的には人柄が大事だと思います。
修正回数が多いのはそんなに嫌じゃない。むしろ大歓迎。
依頼した後で「何度も修正をお願いしたら嫌がられないかしら」と思う方もいるかもしれませんが、意外とそんなことはありません。
ただ、メールで文章だけでの修正指示だと、意図が伝わりにくいし、メールを送っても返事がこないとか「一方通行」が続くと無駄に修正回数が増える時があります。
時間の都合で会えない時は、図とかチャットも活用します。
「修正指示出さなくても空気よんでうまいこと作って」ってたまに言われますが、超能力者じゃないんでちょっとムリです。
修正はいいけど、途中キャンセルだけはご勘弁ください。オーダー品なので、途中キャンセルされても他の方には売れません。あと、絶対やっちゃいけないのが、デザイナーAさんが作ったものをキャンセルして、それをベースにして他社Bさんに仕上げを頼む行為。
同業者は、横のつながりがありますので、Bさんも今後仕事をしづらくなります。最悪、権利問題に発展します。
見切り発車でデザインを依頼しない
簡単にまとめると、全部お任せは双方ともリスクが高いです。
- 見積もり段階で、資料と希望は全部出す
- 見積もりは無料
- デザイナーが自分好みの物を作ってくれそうか、
話し合いに応じてくれそうか、
マメに連絡をくれそうか人柄大事 - たまに、話がうまいだけでスキル0の人がいる
(外注する) - 高いのは技術料なので、時給と比較しない
- 予算が厳しい時はすぐ言う
- 不満を抱えたまま進めない
デザイン業界はブラックとかきついとか言われる原因は、お客様との信頼関係ができていなかったり、コスト重視で無理を強いられたりしている会社が非常に多いところ。でも、お互い少し歩み寄るだけで改善できることってあるんじゃないでしょうか…。
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